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iPhone 4: lamentable line







iPhone 4がリリースされました。

詳しい解説はいつもの通りコチラからどうぞ。

プロダクトデザインの視点で、

GIZMODEのリークから最終デザインまでに"残念な割線"の形状は修正してくるかなと予想していたんですが、結果はほぼそのままでした。理由はわかったけどこれはやはり残念。ホワイトモデルはせめて白くして!泣
恐らくジョブズやジョナサンもそう思っているんでしょうけど。サイトの写真も割線部分が写らない様な構図の写真が多いのは多分そういうことなんでしょう。

ただ、割線ひとつにここまでの緊張感を感じるマスプロダクトはそうは無く、全体で見ると素晴らしく潔い美しいプロダクトデザインだと思います。とても素直で誠実。だけど新しい。

個人的には全くの平面に見える正面や背面のガラス部分に補正Rがかかっているかが少し気になります。
※人間の目で見ると全くの平らな面は凹んで見えてしまうことがあるので平に見えるものでも実はR3000くらいの補正Rがかかっている場合があります。恐らくやっていないでしょうけど、もしやっていたらいい意味で笑っちゃいますね。

ソフトバンクへの割賊金が3GSと3Gで数万円残っていてかなり涙目なんですが一括でどーんといきますよ、iPhone 4。
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FORM



山中俊治さんが書かれている"山中俊治の「デザインの骨格」"がとてもおもしろくて毎エントリーごとに食い入る様に見ています。

山中さんがエントリーされていた"スティーブ・ジョブスの台形嫌い"、この話は多分僕が新人の頃だったらさっぱりな話だったと思うんですが最近やっとわかってきました。わかってみるととてもおもしろい。つまりは現代の大量生産品で多く用いられている金型構造と樹脂成形の条件の話で、これがわかっていると毎日の生活の中でのモノの見え方が変わってきてとてもおもしろい。

例えばみなさんの目の前にある携帯電話。その外観部品は代表的な樹脂成形品の一つです。樹脂成形品は一般的に金属で作られた型と型の間に熱して液状化させたABSなどの樹脂を流し込み固まったら型から出します。型から成型品を出す為には単純に上下抜きで成型品を取り出すだけで最低でも1度の勾配が必要だと言われています。さらにシボと言われる表面的なテクスチャーを付けるとその角度は増え、表面のテクスチャが荒い程にこの角度は増えていきます。この勾配が無いといわゆるカジりと言われる、型から成型品が抜けない問題が発生してしまいます。ですから多くの場合、生産品にはこの勾配がついています。みなさんの周りにある樹脂成型品をよく見ると多分この勾配がついているのではないでしょうか。もちろんデザイン的に一番見せたい部分にあえて勾配をつける人はいないので目立たないようにつけるのが一般的です。

この上下抜きだけではデザイナーや設計者が意図する形状はなかなか作れないのでスライド型というものも使われます。これは上下抜きに加えて金型の何面かがスライドして動く様になっていてスライドさせた面は勾配のない直角な面を形成させることができます。つまりこのスライド型を組み合わせれば全く勾配の無い直方体を成形することができます。山中さんもエントリーされていましたが、深澤さんのneonなどがそれにあたります。

しかし型には別の問題も。型と型の間には必ず隙間が出来てしまい、そこに樹脂が流れ込むことによって成型品の表面に線、パーティングラインとなって現れてしまいます。製品の表面によく入っている変な線、そうあれです。iPhone3Gの背面やneon、プラマイゼロの加湿器はこの線、パーティングラインをひとつひとつ磨いて消しているのです。だからあんなにもきれいな曲面が表現できるわけです。

ただ一般的な電機メーカーなどの製品で一つ一つ磨き作業を行っていてはコストが跳ね上がってしまう為に採用することは難しいのが現実です。そしてスライド型も型自体のコストが高く、スライドする分だけど成形時間が増えてしまい結果的に生産コスト増に結びついてしまうため好き勝手に使える訳ではありません。

ユーザーがデザインで選んでくれる製品であればそこにコストをかけることが可能ですが、残念ながらすべての製品がそうある訳ではありません。

だけど、そんな厳しい条件の中でどれだけ美しい形状を作り出すかがデザイナーや設計者の腕とセンスの見せ所です。

学生時代だとかっこいいデザイン画を描けただけでデザイナー気取りしていましたが、プロのデザイナーになってからはその認識が大きく変わりました。もちろんかっこいいデザインを生み出す事が大事で素晴らしいのは言うまでもないのですが、本当に大切なのはその美しいデザインをどれだけ崩さずに製品へと昇華させるか。この部分がプロとアマの違いと言えるかもしれません。

こんな事を考えながらいつも何気なく使っていた製品を見返すとデザイナーや設計者の思想やセンスを垣間みることができて、ちょっとだけ製品を見る目線が変わるかもしれませんよ。
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